ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(door in the face technique)
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックというのは、本命の要求を通らせるために、初めに本命より過大な要求を提示し、相手に断られた後小さな要求(本命)を通す交渉テクニックの一つです。
日本語では「譲歩的要請法」と呼ばれ、何かをしたら何かお返しをしたくなる「返報性の原理」を応用しています。
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは1975年社会心理学者のロバート・B・チャルディーニが行った実験でも証明されています。
まず初めに「青年を1日だけ動物園に連れて行って欲しい」とお願いします。
もちろん頼まれた側には得がないため多くの学生が断り、17%しか承諾してもらえませんでした。
次に「青年のカウンセリングをこれから二年間、週2時間ずつ参加してもらえないか」と頼みます。
もちろん相当ハードなため全員が断りました。しかしその後「ならばせめて青年を1日だけ動物園に連れて行って欲しい」と頼んだところ、実に50パーセントが引き受けたのです。
このように相手からは「譲歩した」という見え方をして、「返報性の原理」が働くのです。