MBA単語集

HOME > MBA単語集 > リーダーシップ > コンフリクト(conflict)

コンフリクト(conflict)

コンフリクトは日本語で訳すと、 (武力などによる)争い、闘争、や(主張などでの)論争、口論、または(思想・利害などの)衝突、軋轢と行った意味が挙げられます。

つまり、「コンフリクト」とは、それぞれが相反する意見や考え方を主張し、お互いが妥協せず緊張状態が生じることです。

あらゆる組織においてもコンフリクトは生じ得るものです。

争いという点からマイナスのイメージを持ってしまいますが、コンフリクトにはプラスの面も持っています。

そのため、マネジメントの方法によってはより良いアイデアの創出や組織の意識向上などにつながりうることです。

プラス面としては、
・議論を重ねることでその案件への意欲が向上する
・相互の意見の欠点を見つけることができる
・新たな視点を付与でき、本質的な欠点を見つけ、より質の高いアイデアを考えられる
・議論を重ねることにより相手の考え方などを理解することができる
など

マイナス面としては、
・不快感を与える
・議論による非効率なコミュニケーション
・論点のずれた議論になる
・与えられる情報の歪みや意思決定への偏り
など

ハーバード・ビジネススクールのジェームズ・ウェアとルイス・バーンズによると、個人間のコンフリクトに対処するためには現状をしっかり理解し、本質的なものを見極め、その状況自体を変えるか、当事者への態度や対応を変える必要があるとしています。

「コンフリクト」を理解するための、本質的な問題の掌握に重要な4つのパターンがあります。

⒈コンフリクトが個人および組織に及ぼしている効果

プラスの効果もマイナスの効果も持っている。

すぐに何か対策を打つ前に、プラス、マイナスどちらの効果がより強く表れているかを分析する。

⒉コンフリクトのパターン

コンフリクトに発展する最初のきっかけとなる行動に対して、相手がどのような対応を示し、そこからどのようにしてコンフリクトが深まったのかというパターンをつかみ、客観視し構造化すること。

これにより、コンフリクトの根本原因と対処の糸口が見えてくることが多い。

(3)実質的問題と感情的問題

コンフリクトの多くの場合は、実質的な問題と感情的な問題の2つの異なる問題から生じている。

実質的問題とは、経営方針や役割と責任といった事業を運営する上での意見の食い違いによるもの。

一方、感情的問題とは、当事者が互いに相手に抱いている個人的な認識や感情によるもの。

組織では感情的問題を表に出しにくいため、実質的問題にすりかえられることがよくある。

逆に、最初は実質的問題であったのに、対立点が個人的感情に由来するのではないかと当事者が疑い始め、感情的問題に転換して解決が難しくなる場合もある。

(4)コンフリクトの根底にある要因

コンフリクトが生じる要因として、外部要因と個人的要因が考えられる。

外部要因は時間的な制約や予算的な制約、資源配分や業績へのプレッシャーなど。

個人的要因は対抗意識や相性、仕事上のスタイル、ストレスの許容度などである。

通常、コンフリクトの原因は単一によるものではなく複数存在し、それらが複雑に絡み合っていることが多い。

対立が深まるにつれ、その複雑に絡み合った問題が本質的な問題をかき消していき、最初の原因とは関係ないものがコンフリクト原因となることもある。