2020.5.27 2020.6.29
外国人採用で気をつけたいポイントとは?【メリット・手続きなどを解説】
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労働力人口の減少により、今日のビジネスシーンでは、女性やシニアなど多用な人材の活用と社会参画が求められています。
とりわけ外国人人材の雇用は、市場での企業価値を高め、社内のダイバーシティを推進する上での大きなキーポイントになるでしょう。
今回は、外国人採用に関するノウハウと気を付けたいポイントについてご紹介いたします。
目次
外国人採用のトレンド
外国人採用のニーズを掴むためにも、まずは近年の採用動向を見ていきましょう。
厚生労働省出典の「外国人雇用状況」を参照すると、日本に在留資格を持つ外国人の数が格段に増えていることが分かります。
2018年には外国人労働者が約146万人に達し、この数値はわずか4年前にあたる2014年(約71万人)のおおよそ倍に相当します。
参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (平成 30 年 10 月末現在)
次に外国人労働者を国籍別に分析していきます。
中国が最も多く、グラフ全体の約26.6%を占めます。次にベトナムが21.7%、フィリピンが11.2%と続きます。
全体的にアジアからの労働者が多いのが特徴と言えるでしょう。
こうした状況の背景として、技能実習生の受け入れ枠が広がったことなどが挙げられます。
また、深刻な人手不足を受けて、2019年4月には新たな在留資格として「特定技能」※の14業種での外国人雇用が可能になりました。
こうした法改正を経て、日本で働く外国人労働者数は今後も伸び続けると予想されています。
※建設業、宿泊業、農業等「知識または経験を必要とする技能が必要」と見なされる14の業種
参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (平成 30 年 10 月末現在)
外国人採用のメリット
外国人を採用することは、企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
イノベーティブなアイデアの創出
多様なバックグラウンドを持つ外国人人材を採用することで、新鮮かつ斬新なアイデアが生まれることが期待できます。
従来の考え方にとらわれない柔軟な発想力は、新しいビジネスの創造や、既存事業の発展を目指す上でのブレイクスルーとなることでしょう。
優秀な若手人材の確保
海外からの「若手の将来有望な人材」を確保できるメリットがあります。
特に中小企業にとって、若手人材の確保は苦戦を強いられることが多々あるでしょう。
職種に関しては、エンジニアの需要が高まってきており、日本の学生よりもインドやベトナムなど海外の学生の方が能力が高いと言われるケースも増えてきました。
グローバル化を期待できる
特に新卒採用においては、フレッシュで優秀な人材が多いのが特徴です。
母国語に加えて日本語と英語、さらにもう一言語話せるというマルチリンガルも少なくありません。
もしも海外への事業拡大を視野に入れているのであれば、その国の人材を雇用することは得策であると言えます。
現地とのやりとりだけでなく、文化の違いを踏まえた市場戦略を練る際の活躍が期待できるでしょう。
外国人採用のプロセス
実際に外国人を採用する流れの中でも最も重要なポイントについて見ていきましょう。
雇用資格の確認
雇用したい人材が日本国内にいる場合、「在留資格(ビザ)」の確認が最初のステップになります。
在留資格=外国人が日本に在留するための滞在資格と考えると分かりやすいかと思います。
在留資格によって就業可能な仕事が決まっているため、対象者が既に所持している在留資格と、採用予定の職種や仕事内容が異なるようであれば、当てはまる在留資格に変更しなければなりません。
外国人はどの仕事にも就ける、というわけではないのです。
主要な在留資格の種類については、「我が国で就労する外国人のカテゴリー」(厚生労働省)を見ていただくと分かりやすいかと思います。
海外在住の外国人人材を雇用する場合は、まず在留資格の申請をすること、合わせて対象者が資格取得の要件を満たしているかどうかの確認が求められます。
こうした確認作業には、雇用する側と対象者間でのコミュニケーションが非常に大切です。
在留資格取得のサポートをしている行政書士や弁護士を頼るか、あるいは人材紹介会社を通して採用活動を行っている場合は、担当者にノウハウを聞いたりセミナーに参加したりするのもオススメです。
雇用契約を結ぶ
採用後のトラブルを防ぐためにも、事前に給与体系や業務内容について双方同意の上で、書面での雇用契約を結びましょう。
のちのちにトラブルが起こった際の証明にもなりますので、書面での契約締結は必須です。
また、労働基準法によって、雇用者から対象者へ雇用契約書や労働条件通知書を書面で配布することが義務付けられています。
これを行わなかった場合、責任追及されるのは雇用者側になります。
「外国人雇用状況の届け出」についても理解しておきましょう。
「外国人雇用状況の届け出」とは、外国人を採用あるいは離職した際にも提出が求められる書類です。
在留資格「外交」「公用」および「特別永住者」以外の人が対象者に当たり、オンラインまたはハローワークを通じて厚生労働大臣に届けられるものとなります。
外国人採用のポイントと課題
続いて外国人採用の際に気をつけるべき点についてお伝えします。
文化や習慣の違いを理解する
最も躓きやすいのが、文化や慣習の理解不足が原因のコミュニケーションミスです。
同じチームや部で働く日本人メンバーが、日本の常識が外国の常識ではないということをしっかりと理解していることが大切になります。
曖昧な指示を与えない、人前で失跡するのを避ける、また宗教の違いなどを頭に入れたうえでチームワークを構築していきましょう。
日本語スキルを確認しておく
業種にもよりますが多くの場合、日本語を使って仕事をすることになるかと思いますので、日本語の能力がどのくらいあるのか事前にチェックしておく必要があるでしょう。
本人に日本語能力試験を受けてもらうなどして客観的な判断ができるようにする、あるいは日本語面接を行うなどすると効果的です。
外国人を10名以上雇い入れる場合は、責任者を立てる
外国人を常時10名以上雇い入れる場合は、「外国人労働者雇用労務責任者」を選任しなければなりません。
責任者は、原則として各事業所の管理職の中から選任します。
この制度は、厚生労働大臣が外国人労働者の雇用動向について逐一把握するためのもので、厚生労働省による「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に記載されています。
「不法就労」が起こってしまったら
留学など就労が認められていない在留資格の外国人が就労した場合、または入国の許可が下りていない者や在留期限が切れている者が就労した場合は、「不法就労」と見なされます。
入国管理法により、3年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金が科されますので十分注意が必要です。
こうした事態を防ぐために、面接時に在留カードを持ってきてもらうなどして責任者自らが確認を怠らないようにしましょう。
入社後のアフターケアも重要
優秀な人材に継続して働いてもらうためには、法律に則った採用活動に加えて、入社後のアフターケアも非常に重要と言えます。
ダイバーシティに関する研修などを実施して社員全体の異文化理解を深め、温かな受け入れ態勢を整えていく必要もあるでしょう。
入社後は細やかなフォローを入れながら、外国人人材の能力を最大限に引き出せるような就業環境を目指していきましょう。
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