2021.9.19 2021.9.19
35歳の壁は本当?35歳からの転職を成功させるために
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転職をする際には「35歳限界説」や「35歳の壁」という言葉を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
たしかに、20代から30代前半までは、企業に書類を提出すると選考がサクサク通過して、それほど努力をすることなく内定を得ることができた方が、35歳になったタイミングぐらいから急に書類選考に通らなるというケースも少なくありません。
しかし、35歳以上の転職ケースは珍しくなく、むしろ転職エージェントによっては、35歳以上の人をメイン層としているサービスも数多く存在しています。
人手不足やグローバル化で中年層の管理職らにも転職の門戸が広がっている」というニュースが注目された時代がありますが、「転職35歳の壁」は本当に過去のものになったのでしょうか。
今回はそのニュースの裏側をひもとき、リアルな実態に迫ってみたいと思います。
目次
35歳以上の転職の難しいと言われる理由とは
では、なぜ35歳以上の転職が難しいといわれるのでしょうか。
その大きな要因の一つが、年齢が高まることに伴う採用要件の変化だと考えられます。
たとえば、20代においては、ポテンシャル採用、いわゆる第二新卒向けの求人が多く、経験・スキルを問わない採用が大半です。
経験を問う場合もその業界・職種の経験が3年以上であれば問題ないというケースなど、将来性や成長性を見込んだ採用になる為、経験・スキルに関しての評価は多少優遇されます。
一方で、30代、特に後半になると、多くの場合は社会人経験を10年以上積んでいることになります。
そのため、採用企業は、高い専門性やスキル、マネジメントの経験などを求めることが多く、20代向けの求人と比べ、採用要件が厳しくなります。
このように、年齢が高まることに伴って採用要件が厳しくなることが、35歳以上の転職は難しいといわれる大きな要因だといえます。
35歳を超えてから「安定した職場がいいから大企業に転職しよう」と考えること自体が、募集がきわめて少ない狭き門である上に、求人があるポジション自体、ある程度の役職が付いている等、背負う責任も重いケースが多いので、入社した後に過酷な競争に巻き込まれてしまう、リスキーな選択となる可能性が高いわけです。
40歳前後の世代で、ある程度経験を積み上げた方の場合、「安定した会社」という選択肢以外にも、「役職・ポジション」「ワークライフバランス」「年収水準」、あらゆる面において、「できれば前職以上」という考え方を持つのは、とても自然な流れと言えます。
仕事面以外にも、既に家庭を持っており、住宅ローンの返済、子供の学費、両親の介護資金など、一家の大黒柱として、少しでも余裕がほしいという思いは当然のことでしょう。
ただ、40代が収入のピークになるという業種や職種も多い中で、「部長以上の役職で探したい」「できるだけ残業は避けたい」「年収は前職より増やしたい」といった外形的な希望条件を満額回答でかなえる転職のチャンスはそう多くはありません。
希望条件を一つ一つ見ていくと、前職を上回る人よりも下回る人が目立ち始めるのが40歳という転換点です。希望条件を掛け合わせることにより、選択肢は指数関数的に一気に狭まってしまいます。
35歳以上の転職を成功させるにはどうすればいいか
上記で述べたように、やはり20代や30代前半の転職活動に比べて難しくなってしまうのが現状です。
では、その中で納得がいく転職活動をするにはどうすればよいのでしょうか。
どの年代の転職にも言えることですが、そもそもなぜ転職を検討しているのか、という原点に立ち戻り、転職で解消したかった課題を絞り、その課題をマスト条件として、解決するにはどうしたらよいのかという考え方をするとよいでしょう。
「あれも、これも、全部欲しい」という条件重視型の転職になると、活動自体がフリーズしてしまいかねません。
それでも条件を重視したいという場合は、本当に転職する必要があるのかどうかを再考することをおすすめしています。
自分の経験・スキルの整理を行う
35歳以上の転職は、即戦力として求められる場合が多くなります。そのため、採用する企業側も、即戦力として活躍できるだけの経験・スキルを有しているかをより重視します。
35歳以上であれば、10年以上の社会人経験がある方も多く、アピールできる経験・スキルを有している方も多いかと思います。
そういった経験・スキルを、より具体的、詳細に整理したうえで、応募する求人に合わせて、書類選考・面接においてアピールすることが大変重要となります。
職務経歴書をしっかりと作成する
自身の経験・スキルの棚卸しをし、整理をしっかりと行うためにも、しっかりと作りこんだ職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴書は、履歴書とセットで企業へ提出するケースが多いので、転職活動を1度でも経験したことがある人は、既に用意があるかもしれません。
しかし、以前の転職の際に用意したものには、直近の職歴等はもちろん載っておらず、またアピールポイントやウィークポイントも月日が経つにつれ徐々に変化がでてきているかもしれません。
ただでさえ年齢等のバイアスにより選考基準が高くなっているので、確実に書類選考を通過するためにも、しっかりと作成するべきといえるでしょう。
職務経歴書の作成は、経験やスキルの棚卸し、整理に加え、いかにうまく表現するかという技術も必要になるので、想像以上に時間と労力がかかるかもしれません。
しかし、しっかりと作りこむことで、自身の経験やスキル、成果が整理でき、面接で自身のことをよりうまくアピールできるようになります。
経験・スキルの整理や職務経歴書をしっかりと作成することは、書類選考や面接の合格率を上げるだけではなく、出会える求人数を増やすことにもつながります。
特に、近年主流となりつつあるスカウト型サービスの場合においては、職務経歴書を公開することで企業の人事担当者の目に留まり、スカウトを送ってもらえる場合もあるのです。
スカウト型サービスで出会える求人のなかには、一般的な求人サイトには掲載されていない、公開範囲を絞った求人も存在しています。
20代に比べると、採用要件が厳しくなる35歳以上の転職においては、こういったサービスも利用して、求人に出会うことも重要となります。
35歳以上の転職を成功させるために
35歳以上の転職を成功させるために必要なポイントについて見ていきましょう。
市場価値の徹底的な分析
35歳以上の転職においては、圧倒的に即戦力が求められます。
つまり、自分が今までにどのような経験をしたか、またどのようなスキルを持っているかをいかに正確に相手に伝えることが重要です。
当たり前の話ですが、転職は需給で決まります。
自身の経験・スキルでは、どのような職種・業種の求人、どのようなポジションとマッチするのだろうという判断が、客観的にできているかによって、その転職が上手くいくかどうかに大きく影響します。
エージェント経由で応募なら、エージェント選びにも慎重に
世の中には転職エージェントは星の数ほど存在していますが、もちろん彼らもビジネスですので、それぞれ異なるターゲット層(企業側に対しても、候補者側に対しても)や、得意とする分野等があります。
やみくもに、ぱっと目に入ったエージェントや、周りで評判がいいからというような簡単な理由ではなく、しっかりと自分が信頼できそうなエージェント選びをすることも、希望にあった求人に出会える確率を上げるという意味では、大変重要な要素になってくるでしょう。
企業からのスカウト経由で応募
35歳だと前述のように約10年という長い社会人経験もありますし、とりわけ専門的な分野で経験を積んだ方は、その業界からは引く手あまたの場合があります。
そのような場合、ヘッドハンティングのような形で企業から直接スカウトを受けるというのも良い手です。
特に近年スカウト型のサービスが増加していることに加え、業界ごとに強いサービスも多数ありますので、ぜひご自身の経歴にあったサービスに登録してみるとよいでしょう。
年齢に関わらず自己分析と対策を行おう
35歳の壁、という言葉はあながち間違いではないにしろ、転職に成功している人も世の中にはたくさん存在しています。
そのカギとなるのは、基本中の基本である、しっかりとした経験・スキルの棚卸し、整理と、市場の需給のバランスです。
納得感の高い時間を過ごすために、ぜひ多くの情報を吸収して選択眼を広げていただければと思います。
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