2020.6.11 2021.2.16
外資系企業における代表的な役職名と役割について解説
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日系企業における役職名は、部長、課長、主任など、聞いた瞬間に明確にイメージできるものが多いかと思います。
しかし、外資系となると、どのような仕事を任されるポジションなのか分かりにくいものも少なくないのではないでしょうか。
グローバル化を目指して、役職名を英語に切り替える日系企業も増えてきていることも事実です。
こうしたトレンドを踏まえ、今回は外資系企業における代表的な役職名と役割についてご紹介いたします。
外資系の企業への転職を検討されている方にも、是非知っておいていただきたい内容となります。
そもそも役職名とは何なのか
役職(Post/Position)とは、社内での役割を明確化するための呼称で、ビジネスシーンに欠かせないものです。
分かりやすい例でいうと、「代表取締役」は聞くだけで、その企業の代表、トップを連想することができます。
このように、役職名があることで、その人物が企業の中でどのような役割を担うのか、社外の人でもすぐに把握することが可能です。
また、役職は事業の責任者をはっきりさせることにも繋がります。
ビジネスを進めるにあたって、責任の所在を明確化させておくのは大変重要なことでしょう。
役職があることで、社員のモチベーションアップにも期待ができます。
目指す役職があることで、目的意識を持って日々の業務を進めることに繋がるのではないでしょうか。
しかしながら、取締役のように会社法で定められた役職を除くほとんどの役職名には法律上の決まりはありません。
会社ごとに自由な役職を置くことができ、また同じ役職でも、会社によっては仕事内容が異なる可能性があります。
転職した場合などは、前の会社での役職イメージを取り払った方が、社内でのやりとりがスムーズになるかもしれません。
外資系企業における代表的な役職名と役割について
ここからは、役職名を順番に見ていきましょう。順番ごとに理解することで、役職ごとの立場をイメージしやすくなること思います。
代表的なものとして、以下のものがあります。
・Chairperson / Chairman (取締役会長)
・President(社長、代表取締役)
・CEO(最高経営責任者)
・COO(最高業務執行責任者)
・CFO(最高財務責任者)
・CMO(最高マーケティング責任者)
・CJO(最高法務責任者)
・CIO(最高情報責任者)
・Vice President(上級副社長)
・General Manager(事業所長など)
・Director(ディレクター)
・Manager(マネージャー)
・Leader(リーダー)
Chairperson / Chairman (取締役会長)
「会長」という意味のChairperson / Chairmanは「議長」という意味でも使われています。
最近ではChairmanは聞かれることが少なくなり、もっぱらChairpersonが使われています。
これは、男女の区別をしないようにしようという英語特有の意識から生まれたものです。
そうした意味でも、ビジネスレターやメールなどで、初めて先方にコンタクトをとる際、男性/女性が分からない場合はDear sir or madam とするのがベターではあります。
President、Managing Director(社長)
北米では、Presidentは「社長」と捉えられるのが一般的です。
しかし、Presidentだけでは代表権があるかどうか分からない場合もあるので気をつけましょう。
現在では、Presidentは少し古い言い方であるという認識が広まっており、新しい会社ではあまりこの言い方をしなくなりました。
また一方で、イギリス系の企業の場合はManaging DirectorやChief Executive が「社長」を表すことが多々あります。
CEO(最高経営責任者)
Chief Executive Officerの略称で、文字通り「会社経営における最高責任者」です。
実は日本の法律ではCEOに相当する規定がなく、CEOという役職名を日本語訳せずにそのまま用いる企業も多く見られます。
日本の企業の場合には、代表取締役 CEOという肩書きにしている方も多いです。
会社の未来を見据え、長期的な経営戦略を立てる上でのブレインになるのがCEOとなります。
COO(最高業務執行責任者)
CEOに次ぐNo.2のポジションと考えられるのが、COO(最高業務執行責任者)です。
CEOが決定した経営指針や戦略をベースに、実際に業務の現場を管轄します。CEOの右腕と言われるのがこのCOOです。
CFO(最高財務責任者)
Chief Financial Officerの略称がこのCFOです。
企業での財務、コーポレートファイナンスのポジションのトップにあたります。
財務戦略の立案や執行はこのCFOによって行われ、経理部の部長が兼任する場合もあります。
会社によって投資銀行出身のようなファイナンス寄りの方が着く場合もあれば、公認会計士のように財務・会計系のキャリアが長い方が着く場合も見受けられます。
CMO(最高マーケティング責任者)
CMOはChief Marketing Officerの略称です。
部門ごとに分かれているマーケティング業務を機能的に統合させて、中長期的なマーケティング戦略の立案と実行の責任を持つのがCMOの重要な役割になります。
日本でもCMOを設置している会社も少しずつですが増えてきました。
CJO、CLO(最高法務責任者)
Chief Judicial Officerの略称です。
Chief Legal Officerと呼ばれることもあり、その場合はCLOとなります。
法務分野での最高責任者であり、弁護士の資格を有し、会社の法務部門の顧問弁護士を兼務することもあります。
CIO(最高情報責任者)
北米の企業で使われることが多い役職で、Chief Information Officerの略称になります。
情報化社会の中で、企業にも通信技術の向上と情報セキュリティの向上を求めるニーズが高まりました。
日本でもIT企業を中心にCIOの役職を導入していることも増えています。
Chief Investment Officer(最高投資責任者)を意味することもあるので、念のため確認しておくと良いでしょう。
Vice President(統括本部長)
「統括本部長」や「事業部長」を意味します。
Viceが「副」という意味を持つので、文字通り「副社長」という意味で使っている会社もあります。
General Manager(事業部長)
日本でもGMという略称で知られているのが事業部や団体、各施設の長を表すGeneral Managerです。
業界によって役割が異なるので、実際にどこまでが管轄範囲になるのか、権限になるのかなど確認しておくと良いと思います。
Director(ディレクター)
「部長」と捉えると良いでしょう。シリコンバレー系の企業ですと「部門長」ですが、イギリスでは「取締役」を意味することもあります。
Manager(マネージャー)
こちらは日系企業でも馴染みのある役職名かと思います。
しかし、英語圏での認識は広範囲に渡りますので、「課長~部長」の間、と捉えておくと良いでしょう。
Leader(リーダー)
日本で言う「グループリーダー」を表します。比較的年次の若い従業員に与えられる役職でもあります。
役職外ではありますが、そのほかに覚えておくべき名称としては以下が挙げられます。
・Staff/Employee/Member(社員、部員)
・Temporary Employee/Non Regular Staff(派遣社員)
・Part Timer(パート、アルバイト)
・Assistant(アシスタント、補佐)
・Trainee(見習い、研修生)
・Intern(インターン、助手)
業界や会社によっても役職名は変わるので確認しておこう
お伝えした通り、ほとんどの役職には法律上の規定が存在しないため、日々新したな役職名が生まれる傾向にあります。
特にCEOなどアルファベット3文字の役職名は増加傾向にあり、最も外資らしさを表しているとも言えます。
こうした表記は、主に北米系の大手企業で積極的に取り入れられていますが、イギリスなど他の英語圏の国の企業では用いられない場合も多くありますので、グローバル規模では必ずしも一般的であるとは言えません。
また、業界や会社によって権限や業務範囲が異なることが往々にしてありますので、就業先(予定)の企業によく確認しておくことをおすすめします。
特に、会計事務所や、弁護士事務所、コンサルティングファームなどの専門職系の業種には業界独自の役職名があり、一般的な会社の役職とは必ずしも一致しない場合があります。
むやみに役職名だけで先方の立場を判断せず、会議やミーティングの際の席次などを観察して総合的な判断を仰ぎましょう。
日本においては、直接的に相手の役職を尋ねるのは良しとされませんが、英語で言う「役職」(position)には「部署」や「役割」と言ったニュアンスも含まれるので、ダイレクトに聞いても問題の無い場合が多いです。
先方がどんな立場の人なのかを知らないまま立ち振る舞うことで悪い印象を与えるよりも、思い切って聞いてしまった方が、関係を構築する上でもプラスに働きます。
いざという時に役に立つよう、英語での役職名をしっかりと把握しておくようにしましょう。
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