2019.4.1 2021.3.26
MBA ( 経営学修士 ) は 起業 、ベンチャー 経営 に役立つのか
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最近では日本でも MBA ( 経営学修士 ) を学ぶことのできる ビジネススクール が増えてきていることもあり、既に MBA を取得された方や関心を持っているという方も多いでしょう。
これから 起業 や ベンチャー経営 をしていこうと思っている中で、MBAを検討しているという声も良く聞きます。
僕自身も経営の勉強をしてから会社を設立したということもあり、相談されることも増えてきました。
先に意見を述べると、「 MBA はあっても困らないが、 起業 ・ ベンチャー 経営 に必須ではない」と考えていますし、多くの方が同じ意見ではないかと思います。
今回は MBA( 経営学修士 ) は 起業 ・ ベンチャー 経営 にどの程度役立つのかご紹介させていただきます。
目次
MBA について
MBA とは「 Master of Business Administration 」の頭文字の略称で、日本語では 経営学修士 と訳されています。
公認会計士 や 弁護士 などの 国家資格 とは違い、MBAは資格ではなく学歴に近いのですが、外資系企業やマネジメント層ではMBAの話も出てくることが多いです。
MBAを取得している方のことを MBAホルダー と呼ぶこともあります。
元々は1908年に ハーバード ビジネススクール ( HBS )がMBAを創設したのをきっかけに、欧米の大学を中心として広まってきました。
始まりの所以は「大企業の幹部候補を育成する」というところからきているようです。
ビジネススクールもビジネスですので、ある程度需要があってお金が取りやすいところをターゲティングしたのではないでしょうか。
海外の TOP ビジネススクール は費用も高額で、 シカゴ大学 では年間で1,000万円近い金額がかかったりもします。
日本では平成15年に 文部科学省 が 専門職大学院制度 の新設を行なったことに対する「 専門職学位課程 」によるものと、昔からある「 修士課程 」によるものの2通りがあります。
日本の代表的なMBAの例で挙げると、 早稲田大学ビジネススクール ( WBS )は専門職学位である「 経営管理修士 」、 慶應義塾大学ビジネス・スクール ( KBS )は「 修士 ( 経営学 ) 」となっており、どちらも日本版MBAと呼ばれることが多いです。
専門職大学院 について
専門職大学院 は、科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴う、社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成へのニーズの高まりに対応するため、高度専門職業人の養成に目的を特化した課程として、平成15年度に創設されました。
特徴としては、理論と実務を架橋した教育を行うことを基本としつつ、
1:少人数教育、双方向的・多方向的な授業、事例研究、現地調査などの実践的な教育方法をとること、
2:研究指導や論文審査は必須としないこと、
3:実務家教員を一定割合置くこと
などを制度上定めています。
制度創設時から法曹(法科大学院)、会計、ビジネス・MOT(技術経営)、公共政策、公衆衛生等の様々な分野で開設が進み、平成20年度には、実践的指導能力を備えた教員を養成する教職大学院が開設し、専門職大学院は、高度で専門的な知識・能力を備えた高度専門職業人を養成することが期待されているところです。
専門職大学院が、社会からの高い評価を得て、将来に向けて発展を遂げていくためには、各専門職大学院が関係する産業界、学協会、職能団体、地方公共団体等との連携を図りながら、制度の趣旨を踏まえ、理論と実務を架橋した実践的な教育の充実に不断の努力をしていくことが求められています。
ビジネススクールでも専門職大学院として教えている学校も多いのが特徴です。
引用 : 文部科学省 専門職大学院
MBA で学ぶこと、身につくことは
では実際に MBA で学ぶこと、身につくことはどのようなものがあるのでしょうか。
ビジネススクール によっても多少の違いはありますが、代表的な例について見ていきましょう。
経営に関する知識
MBAで学ぶ科目のジャンルとしては「 経営戦略 」、「 マーケティング 」、「 ファイナンス 」、「 会計 」、「 人材・組織 」などがあります。
学校によっては呼び方が違う場合もありますが、概ね経営に関して必要なジャンルが網羅されています。MBAの目的としては経営に関する知識を学ぶことを第一に挙げている方も多いでしょう。
必修で学ぶ以外に、自分で興味のある分野について授業をとって知見を深めていくのが一般的です。
この他にも最近では、「ベンチャー」について力を入れている学校も増えており、ゼミを設けている学校もあります。
ネットワーキング
MBAを学びにきている人とネットワーキングができるということも魅力として挙げられます。どのような方が来ているのかを大きく分けると以下の3つになります。
経営の考え方、考える時間
MBAでは「 ロジカルシンキング 」、「 クリティカルシンキング 」、「 ゲーム理論 」など考え方について学ぶことも多いです。
さらに、同じ学生でも様々な年代でバックグラウンドが違う人がたくさんいることから、経営に関する考え方や物事の捉え方が違う場合もよくあります。
何が正解というよりは、普段同じ会社で仕事をしている人とは違った考え方をしている人から学ぶことは多く、業界の中の知見も深まることに繋がるでしょう。
他の人の仕事や今後のキャリアについて見ていく中で、自分自身のキャリアについても見直す機会が多く訪れます。
最終的には自分の価値観を元にゴールを決めて、キャリアや経営についてアイデンティティの確立が求められることとなります。
MBAを取得後に会社を設立して 上場 している経営者
MBAを取得してから会社を設立して、上場をした代表の方を見ていきたいと思います。
上記で挙げさせていただいた方は、MBAのおかげも多少はあったとは思うのですが、元々能力が高い方が多くてMBAを持っていなくてもあまり変わらなかったかもしれません。
特に海外のトップMBAに行けるほどの実力がある方であれば、 起業 や ベンチャー経営 をする上でも成功する確率が高いという因果関係の方が強いように感じました。
他にもいると思うので、見つけたら随時更新予定です。
MBAはあっても困らないが、 起業 ・ ベンチャー 経営 に必須ではない
MBAで学ぶことによって経営に関して一定の知見を得ることができます。
しかし、MBAで学んだからといって、いきなり経営ができるようになったり、起業してうまくいくようになるわけではありません。
既に起業やベンチャー経営を行っていきたいとお考えの場合であれば、MBAに行かないでそのままやったほうが良いとアドバイスしています。
なぜかというと、MBAで学ぶことのデメリットとしてはそれなりに時間と労力、お金を使うこともあるため、起業してやっていきたいのであれば、そのリソースをすぐに起業へ振り向けた方が効果的であると判断しているからです。
世の中の多くの起業家やベンチャー経営者はMBAは持っていませんし、実際にビジネスで学ぶことの方が多いのではないでしょうか。もちろんMBAはあっても困りませんが、起業 ・ ベンチャー 経営 に必須ではないことは事実です。
MBAは元々が大企業の幹部候補、ジェネラリストの育成に重きを置いているため、どちらかというと起業よりも転職のためにMBAへ行くことを検討しているのであればおすすめしたいと思います。
また、自分で起業して経営を行うのではなく、複数の 企業トップ を渡り歩くようないわゆる「 プロ経営者 」を目指しているとなれば話は別になります。
外資系の 日本法人トップ や グローバル企業 の トップマネジメント を行いたいという場合には、MBAを持っていた方が経歴的にもネットワーキング的にも有利になる可能性が非常に高くなりますので、起業とは分けて考えた方が良いです。
起業 をお考えの場合、MBAのメリットとデメリットを考えた上、それでも行った方が良いと判断した際には、まずは合格を目指し将来のビジネスに向けて役立つ時間にしていきましょう。
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