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2021.2.6 2022.5.9

IESEビジネススクールの授業内容や評判、卒業生の進路先とは

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IESEビジネススクールの授業内容や評判、卒業生の進路先とは

ヨーロッパで有名なMBAプログラムといえば様々なビジネススクールがありますが、世界トップランクのスペインIESEビジネススクール(Instituto de Estudios Superiores de la Empresa)が人気です。

今回はIESEビジネススクールの特徴、授業内容や評判、卒業生の進路先についてご紹介いたします。

IESEビジネススクールとは

IESEビジネススクールとは

引用:IESE Business School

IESEビジネススクールとは「Instituto de Estudios Superiores de la Empresa」の略称で「イエセ」と呼ばれています。

1958年にUniversity of Navarra(ナバーラ大学)の大学院として設立され、1964年に米ハーバード・ビジネス・スクールとの提携によって欧州初の2年制MBAプログラムを開始した伝統あるビジネススクールです。

ハーバードで開発されたケースメソッドを受け継ぎ発展させたIESE方式と呼ばれる独自の教育方法を持つことでも有名です。

MBAやエグゼクティブMBAをはじめとする経営者育成プログラムの卒業生もグローバルで活躍しております。

AMBA(MBA協会)、EQUIS(欧州品質改善システム)の認証校で、これまでも世界有数のトップスクールとして常に世界のTOP20を維持しています。

バルセロナを始めマドリード、ニューヨーク、ミュンヘン、サンパウロにキャンパスのあるビジネススクールで、Financial Times MBA Ranking 2020では13位。

また、Executive Education(企業幹部向け研修)の評価も大変高く、Financial TimesのExecutive Education – combine のランキングでは2015-2020年に世界第1位に選ばれました。

アントレプレーナーシップの研究、起業家育成でも非常に強みをもっており、学内VCであるFINAVESを有する数少ないビジネススクールとしても有名です。

IESEビジネススクールの特徴とは

IESEビジネススクールの特徴とは

IESEビジネススクールの特徴について見ていきましょう。大きな特徴は以下の通りです。

ダイバーシティ

これはIESEに限らず欧州にあるトップビジネススクールに共通していますが、クラスメイトの国籍のダイバーシティが米国人中心の米国のビジネススクールと比較して多様である点です。

また、他の欧州のビジネススクールと異なり、MBA前キャリアの業界のダイバーシティもIESEの特徴と言えます。

MBAプログラムの学生数は1学年約350人、平均年齢は28.5歳、女性比率は32%、学生は世界57か国から集められています。

更には、一国の学生が20%以上のマジョリティを占めないように設計されており、最も学生数の多いスペイン人でも全体の2割未満です。

地域別では、大きく欧州35%、アジア25%、中南米20%、北米15%、その他5%、国別では、スペイン、アメリカ、インド、ブラジル、中国、日本、ペルー等の学生が比較的多い構成となっています。

また、職種のバックグラウンドも多様性が重んじられており、事業会社47%、金融22%、起業4%、パブリックセクター/NGO3%という構成となっています。

参考:IESE Business School

1年目には全員が8人〜9人のチームに振り分けられますが、基本的には産業別、大陸別に振り分けられるため、全てのチームが多様性に溢れたミニ国連のような状態になります。

毎日多様なの文化・常識・ビジネス・思考方法、に触れることができ、自分の築いてきた世界観に大きな影響が与えられることは間違いないかと思います。

ケースを多用したハードカリキュラム(2年制)

ケースを多用したハードカリキュラム(2年制)

1学年は約350人で構成されており、70人の5セクションの中で、前述の通り、8−9名のチームに割り振られ、授業は90分となりますが毎日3クラスをこなす事になります。

毎日のクラスの前にチームでのミーティングが用意されており、事前の予習内容を共有したり、ケースの重要なポイントのディスカッションを30分から1時間ほどで行います。

IESEでは19ヶ月の期間で約700のケースに触れる事になり、1ケースあたり個人差、ケースのジャンルによって差はありますが、2−4時間程度の予習が必要となるでしょう。

流し読み程度では授業の深い内容にはついていけないため、細かな数値の検証や、自身のキャリアにおける体験談とケースの比較、自分自身のポジショニング(例えば、競合メーカに価格競争に挑むべきか、挑むべきで無いかなど)などを整理しておく必要があるため、授業をこなし翌日の予習を終わらせるだけで1日が終わってしまうということも多々あります。

また、授業でどれだけ効果的な発言をしたか、クラスメートの学びにポジティブな影響を与えたかというのが成績の大半を占めるため(もちろん期末テストもあります)、多くの学生が予習に力を入れています。

IESEを卒業したほぼ全ての日本人が1年目はハードだったと振り返るものと確信しています。

一方、学びの内容という意味では、1年目は非常に基礎的なビジネスの知識を学ぶパターンが多いため、学ぶ内容によるハードスキルよりもソフトスキルが向上するというカリキュラムになっています。

裏を返せば、専門性をもって臨む場合には、少し物足りない印象がありますが、逆に多様性があるため、生徒同志で助け合っていくというようなチームワークが発揮されると言えるでしょう。

+αが充実

1年目は全員が全く同じクラスを受けるというカリキュラムに大して、2年目は自身の専門性に応じてクラスを選択制で取っていくというスタイルをとっており、専門的なクラスや、ゲストスピーカー(起業家、投資家など)から話を聞くというクラスが多く入ってきます。

また、スペインにあるビジネススクールということともあり、スペイン語での授業をとることも可能です(1年目までにスペイン語の資格を取得しておく必要があります)。

私自身、ビジネススクールに行く前からスペイン語がある程度話せたため、すぐにスペイン語の資格を取得できましたが、スペイン語のレベルが中級程度備わっていないと、1年目のハードなカリキュラムをこなしながら、スペイン語の資格を取って2年目にスペイン語の授業をとるのはハードなのでは無いかと思われます。

なお、交換留学生として、世界中のネットワークを持つIESEの提携校(米国、イギリス、フランス、イスラエル、アジアなど)に3ヶ月程度留学する生徒も1/4程度います。

その他にも課外活動が満載で忙しくも充実した毎日になることは間違い無いでしょう。

  • 旅行:各自で自由に行くほか、各国の生徒が自国への旅行を企画してくれるTrekに参加したり、ビジネスでのTrekで企業や工場などを訪問する真面目なトレックも沢山あります。
  • ケースコンペ:ケースコンペに参加して、他校のしのぎを削ることができます。授業では学べない実践的な戦略やプレゼンを学ぶことができます(多くの場合で審査員は実際のビジネスのトップランナー)
  • パートタイムインターン:バルセロナにはスタートアップ、VC, PEが集まっているので2年目には授業の傍らインターンを行う
  • 起業:学校のプログラムで実際に起業するパターンなどもあります
  • 就活:多くの学生にとって最も重要な活動になります。

入試までの準備について

入試までの準備について

他のスクール同様、英語の基礎能力を図る英語能力テスト(TOEFL, IELTS)と学力テスト(GMAT, GRE)のスコア提出が必要です。

受験予備校やIESEの受験担当者からの情報収集を行っておくこともおすすめです。

現在は西田さんという入試審査官としてのブログが非常に参考になるため、興味がある方は事前に必ずチェックしておきましょう。

参考:note Tomofumi Nishida (西田 朋史)さん

どこのビジネススクールも同じようなことを謳っていると思いますが、IESEでは特にスコア以外の要素を重視している気がします。

ここではそれ以外に特徴的なポイントについて解説します。

OBOGから話を聞く

IESEの特徴の1つは1学年あたりの日本人の多さだと思います。

毎年10人から15人程度の日本人がIESEに通っており、産業や業種も様々です。

必ずあなたと似たような境遇を持ったOBOGがいるはずですので、たくさんの方とコンタクトしてみて自分の学校へのFIT感を探り、そのリサーチの結果を面接でアピールすることが非常に効果的ではないかと思います。

Open Dayに参加する

IESEではオープンデーという、実際のケース授業に体験ができるイベントが年に何回か開かれています。

これによって、ケースメソッドが自分自身に合うのかどうか、自分自身をどう成長させてくれそうかというのを肌で感じることが大事です。

日本でも開催されることがありますが、余裕があればバルセロナに実際に訪問してみて、席に座って体験されることをお勧めします。

選考の対象にはなりませんが、熱意を伝えること、自分自身の学校への想いを固めるという意味で非常に有意義なプロセスであったと考えます。

出願について

出願について

続いて出願の内容と準備について見ていきましょう。

エッセーと推薦状

出願のエッセイの題材は毎年変わりますが、エッセーも非常に重要な要素となります。

推薦状1通が必要となります。エッセーの題材を除いて推薦者の選び方のポイントなどは他のビジネススクールと大きく変わる点はありません。

  • If you had to come up with a motto for your life, what would it be and why? Please give an example of how you have demonstrated it. (word limit 300 max)
  • Describe your short and medium term post-MBA goals? How will the IESE MBA help you achieve them? (word limit 300 max)
  • Optional Essay:What would you like to highlight about yourself or your journey which may have not been captured in your application? (word limit 300 max)

面接

書類審査を通過するとインタビュー・プロセスへ進みます。

日本にて対面で、あるいはビデオカンファレンス形式で行う場合もあります。

インタビューは、日本在住のアルムナイではなく、アドミッションオフィスのスタッフによって行われます。

前述の通り、IESEにはたくさんのOBOGがいますので事前にどのようなことを聞かれたのか多くの方々に聞いてみることをお勧めします。

MBAの中でもなぜこの学校なのかという部分は必ず整理しておいた方がいいでしょう。

学費

2020年ベースで89,950ユーロです。日本円では1,000万円強となります。

バルセロナの生活費は他の欧州のロンドン、パリなどの都市と比べてやや安く、東京とあまり変わらないイメージだと思います。

授業内容について

授業内容について

上述でご紹介した通り、恐らくケースが一番多いビジネススクールの1つだと言われていることが多いです。

授業での発言、プレゼンなどは数多くの場数をこなすため、非常に上達する事になると思います。

一方専門性を磨く座学は少ないのが特徴で、座学で学べる知識は予習で押さえておいて、授業では生徒間や教授とのディスカッションに重きが置かれます。

2年目から専門的な内容が増えますが、専門的な知識を体系的に学んでいくというよりは、その業界でのトップランナーや卒業生との生の交流を通じて、実戦に負けない知識を磨いてくというスタイルと言えるでしょう。

評判について

IESEの特徴はハードなカリキュラムとゼネラルマネージメントと呼ばれるソフトスキルに重点をおいたオールラウンダー型の経営者を育てるという評判かと思います。

近年では戦略コンサルティングファームに就職する日本人学生が大幅に増加している一方ファイナンスに特化した分野に就職する人は減っている印象があります。

卒業生の進路について

卒業生の進路について

以前は日本人は会社派遣の社費制度を利用して入学される方が多いので、基本的には派遣元に戻られて活躍している方が多かったですが、近年では私費での留学生も多いです。

もちろん社費で来てもキャリア観が変わった結果辞めて転職する方も存在します。

私費留学の方は在学中にインターンおよび就職活動を行う事になります。

日本人のみならず、常に人気があるのは戦略コンサルティングファーム、最近は幅広い業種に広がっており、スタートアップやテック系(GAFAなど)、また自分で起業する人も多いです。

また、近年では自分自身でサーチファンドと呼ばれる中小企業買収目的のファンドを卒業後立ち上げる人も見受けられます。

参考:日本事業承継パートナーズ合同会社

投資銀行やPEなどへの就職者はあまり多くない印象ですが、もちろんその業界で活躍されている方も多いので実際に活躍されている方にお話を聞くのが一番かと思います。

日本語サイトもあるので気になる方は見てみよう

日本語サイトもあるので気になる方は見てみよう

参考:IESEビジネススクールの日本語ブログサイト

IESEビジネススクールでは日本語ブログサイトもありますので、気になる方はサイトを見てみたりコンタクトを取ってみて話を聞いてみるのも良いのではないでしょうか。

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