2021.7.30 2021.8.2
ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの違いとは、ビジネスにおける活用法、その可能性とは
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「論理的に考える力が重要だ。」というフレーズは企業の人材育成部門のトップや担当者がよく口にする言葉です。
論理思考の重要性は以前から論じられていますが、その意味を正しく理解し、個人・組織で活用できている企業は少ないかもしれません。
今回はロジカルシンキング、クリティカルシンキングの違いとは、ビジネスにおける活用法、その可能性についてご紹介いたします。
目次
ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの違い
ロジカルシンキングは、物事を筋道立てて、要素に分解して考える合理的な思考様式のことを指し、論理性の強さや合理性を重視します。
一方、クリティカルシンキングは直訳すると、「批判的な思考」となります。
批判的、というと少しネガティブなイメージがあるかもしれませんが、多くの書籍では、健全な批判精神を持った客観的な思考、という意味合いで用いられています。
ここで大切なことは、批判の対象を自分にすることです。
つまり、クリティカルシンキングは、「健全な批判精神をもって、自身の考え方・常識・前提条件を客観視する思考法」なのです。
かつてアメリカの教育界で、知識の詰め込みをすることではなく、クリティカルシンキングを使って、客観的に判断、決断できるようにしようという風潮があり、その影響で日本でもクリティカルシンキングが用いられるようになりました。
自分の意見に対して、「間違っているかもしれない」という批判的な視点を持ち続けることで、より実践的な意見へと近づけていくことができるという考え方は、教育界のみならず、ビジネスの場でも大いに活用できます。
クリティカルシンキングにおける「批判」という言葉は、必ずしも否定を意味するというわけではなく、「なぜ」「どうして」「本当なのか」といった疑問を持つ、というような意味合いで使われます。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキング、両者は全く別の考え方ということではなく、クリティカルに考えてロジカルに説明するというように、2つをうまく使いこなすことで、核心を突いた問題解決策に到達することができます。
クリティカルシンキングはグロービスの書籍がおすすめですので、ご関心ある方は一度ご参照いただければと思います。
クリティカルシンキングのメリット、ビジネスにおける可能性
クリティカルシンキング活用による具体的なメリットは、以下の通りです。
問題解決、意思決定の精度・効果が高まる
物事を批判的、懐疑的に捉えることで、物事の矛盾や漏れを極限まで低減するだけでなく、検討課題を極限まで掘り下げることが可能となります。
議論は本質に近づくにつれ、自分たちが取り組むべき課題や解決方法が徐々に明確になっていくことが多いです。
今直面しているのはどのような問題なのかを、どれだけ明確にできるかどうかは解決までに至るスピードや、解決の結果として出る成果物の精度に大きく影響するでしょう。
物事の本質を見極めることができる
クリティカルシンキングは、物事の本質を見極める思考プロセスでもあります。
「なぜこうなっているのか」、「これは本当に正しいのか」といった疑問を持つことで、主観的な意見ではなく、客観的な考えを持てるようになるからです。
また、実際には必要のない論拠やデータを取り除き、本当に重要な情報だけを取り出すことにも役立ちます。
不要な情報を減らすことができれば、議論や意見を本質的なものへと近づけることが可能です。
そうすれば無駄な時間や労力をかけずに済み、多くの人を納得させられる考えを持てるようになるでしょう。
新たなアイデアや発想が生まれる
クリティカルシンキングでは物事の前提に対して疑問を投げかけるので、ビジネスにおける新たなアイデアを着想しやすくなります。
新しいアイデアが必ずしも最適なものとは限りませんが、選択肢が多い中から比較検討できるので、より望ましい結果につながるでしょう。
1つの対応策しかないと思える問題に、新しい解決法を示す可能性があるのです。
今すぐできる、クリティカルシンキング実践方法
クリティカルシンキングにおける思考の流れを3STEPでご紹介します。
常にゴールや着地点を明確にする
クリティカルシンキングは、課題解決の手段の一つであり、それ自体が目的ではありません。
まずはゴールや着地点がどこなのかを明確化しましょう。 何を達成したいのか、期限などを具体的に決めると無駄な議論が減り、スムーズな問題解決に繋がります。
また、議論を進めていく上でも、定期的に目的を再確認するとぶれずに実行しやすくなります。
思考の癖・偏りを意識する
人間が思考する以上、どうしても生まれ持った価値観、偏見、思いこみ等、思考をする前段階で癖があることを考慮しておかなければなりません。
癖というのはなかなか取り除くことは難しいですが、「偏見や主観だけで考えていないか」と問うことはできます。
他の視点や異なる考え方から自分の意見や思考を批判的に検証し、客観性を持たせるためには、「自分の考え方は偏っている」「間違っている可能性がある」という自覚が不可欠です。
最初は、自分の思考に疑念を持つことに違和感や嫌悪感を抱く人もいます。しかし、より良い答えにたどり着くためには、改善できる点を探す作業が必要です。
批判的に思考するというのは、「もっと良い考えがあるかもしれない」と考えることでもあります。
問い続ける
クリティカルシンキングを実践するうえで、もっとも重要なのは「問い続ける」という点です。
物事の本質を見抜く考え方は、短期間で身につくものではありません。
そのため、普段からクリティカルシンキングを実践するように心がけながら、何度も繰り返していく必要があります。
また、目の前の問題を解決するために思考し、そこから行動をしたなら、「本当にこの方法が最善だったか」「どこかに間違いはなかったか」を考えることも重要です。
絶え間なく変化するビジネスの世界では、1つの課題を解決しても、すぐに別の課題が見えてくるケースも珍しくありません。
批判的な考え方を身につけるためだけではなく、それをビジネスで活用するためにも、常にクリティカルシンキングを実践していくようにしましょう。
日頃からトレーニングしてみよう
クリティカルシンキングは、複雑で難しいものではありません。
日頃から「本当にこれでいいか」、「なぜこうなんだろう」という疑問の視点をもって考え続けることで、本質を見極められるようになっていきます。
その結果、より生産性の高い仕事ができたり、快適な生活を送れたりするようになっていくのではないでしょうか。
まずは意識的に思考を変えてみて、トレーニングしていくことを心掛けてみましょう。
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