2020.8.15 2022.5.9
シンガポールマネジメント大学MBAの特徴、授業内容や評判、卒業生の進路先とは
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シンガポールで有名なMBAプログラムといえば、シンガポール国立大学(NUS)と南洋理工大学(NTU)があります。
さらに2000年に設立されたにも関わらず、シンガポールマネジメント大学(SMU)が破竹の勢いで躍進を遂げています。
今回はシンガポールマネジメント大学MBAの特徴、授業内容や評判、卒業生の進路先についてご紹介いたします。
目次
シンガポールマネジメント大学とは
参考:Singapore Management University
シンガポールマネジメント大学は、変化の多い時代に対応できるリーダーや起業家を輩出することを目的に、シンガポール政府が出資し、米ペンシルバニア大学ウォートン校をモデルとして2000年1月に設立されました。
シンガポール経営大学と訳されることもあります。
まだ若い大学ながら、シンガポール国立大学と南洋理工大学と並び、東南アジア最高峰の大学の1つと呼ばれています。
シンガポールマネジメント大学はビジネスに特化しており、以下6つのスクールにて構成されています。
- School of Accountancy
- Lee Kong Chian School of Business
- School of Economics
- School of Information Systems
- School of Law
- School of Social Sciences
MBAプログラムの特徴
MBAプログラムはLee Kong Chian School of Businessに属しており、トリプル・クラウン(AACSB、EQUIS、AMBA)を早期に達成する等、その質の高い教育が世界的に認知され始めています。
実際にその評価は、FINANCIAL TIMESが毎年発表しているMBA FTランキング2020で63位と、2019年度の43位からは少し落ちたものの高い評価を得ており、MBAプログラムとして設立されて12年ですが、圧倒的な躍進は前例がほとんどないとのことです。
ちなみに日本のMBAでは100位以内に入っているビジネススクールは残念ながらありません。
また、質の高い教授陣を揃え、トップスクールと遜色のない授業が展開されているうえ、学校と生徒の距離が非常に近く、学生の意見がカリキュラムにすぐ反映される等、まるでスタートアップ企業のようなスピード感があります。
シンガポールマネジメント大学は老舗MBAであるシンガポール国立大学と南洋理工大学とは違った魅力を持っており、代表的なものを以下に挙げます。
- 1年制プログラムでありながら、フルタイムでのインターンシップが必須のうえ、交換留学・海外研修等の非常に充実かつ濃密なカリキュラム設計。
- 少人数制クラスをモットーとしており、アカデミックかつソフトスキルに焦点を当てた実践的な授業内容。
- シンガポール国立大学、南洋理工大学と違い、シンガポール中心部にキャンパスが位置しており、アクセスが非常に良い。また実業界との繋がりが強く、様々なビジネスイベントへの参加も容易。
MBAプログラムの情報
シンガポールマネジメント大学のMBAプログラム情報について見ていきましょう。
入学時期
フルタイムは1月、パートタイムは7月が入学時期になります。
出願締切は1stラウンドが3月中旬、2ndラウンドが7月中旬、3rdラウンドが10月末となっています。
期間
MBAプログラムの期間は選択科目やインターンシップによるものの、10ヶ月~15ヶ月と他の学校と比べてやや短いと言えるでしょう。
学費
学費は67,410シンガポールドルとなっており、1シンガポールドルが80円前後のため500万円程度になります。
条件付きですが、様々な奨学金も用意されていますので、気になる方はチェックしてみましょう。
入学要件
シンガポールマネジメント大学の入学要件としては実務経験が2年以上で以下の書類が必要ですが、基本的には他スクールと変わりありません。
- 英文履歴書(レジュメ or CV)
- 成績証明書
- エッセイ
- GMAT
- TOEFL or IELTS
- 推薦状2通
シンガポールマネジメント大学はTOEFL/IELTSやGMATのスコアをそこまで重要視はしておらず、どちらかといえば経歴や今後どういったキャリアを描いていくか等のスクールとのフィット感を重視しているように見受けられているようです。
スコアを気にしがちですがシンガポールマネジメント大学志望の場合には、自分自身のキャリアをしっかりとエッセイに落とし込み、インタビューで伝える準備も怠らないようにした方が良いでしょう。
カリキュラムについて
上記が基本的なMBAのカリキュラム(フルタイム)になります。
16週間に渡るコア科目は原則必修で全て単位を取得する必要があり、選択科目で自分の専門性を深めていく設計になっています。
授業の流れについて
フルタイムMBAの生徒は約80名で、アジアを中心に約30ヵ国から集まっています。
シンガポールマネジメント大学は学士・修士問わず少人数制クラスをモットーとしており、約80名を2つのクラスに分け1クラス40名ほどのクラスになります。
ほとんどの授業は以下のような内容で構成されています。
講義
教授からのレクチャーになります。ただ先に申し上げた通り、少人数のため質問や意見交換が非常に活発です。
授業によっては、レクチャーの時間がほとんどなく8割以上の時間を生徒側の発言で占められるものもあります。
ここでの発言内容によって評価がつけられ、成績の一部としてカウントされます。
また事前リーディングとしてケーススタディが課されることも多く、予習無しで講義に臨むと何もわからず時間過ぎていく、という状態になりかねません。
そのため、勉強時間のほとんどを予習に費やすことも珍しくありません。
グループワーク
ほとんどの授業ではMBAの醍醐味ともいえるグループワークが課されます。
ダイバーシティに富んだクラスメイトと議論しアウトプットを出すことは簡単ではありませんが、非常に価値ある経験を得ることができるでしょう。
各コースの最後の授業は、ほとんどがグループ課題のプレゼンテーションに当てられます。
様々な角度から厳しい質問に受け答えをすることで、より理解を深めつつ適用力を高めることができるはずです。
グループワークでの良い結果は、グループの功績のため何にも代えがたい喜びがあります。
個人課題
すべてのコースにあるわけではありませんが、時に個人課題も与えられます。
多くの場合は、クラスメイトと情報をシェアしつつ最適解を探していくことが多いです。
ただし、アウトプットはあくまでも個人のため、英語力に不安がある場合には苦労する可能性もあります。
試験
ほとんどの授業では、コースの締めくくりとして最終試験があります。(中には中間試験も有り)
試験形式は様々で、MCQ・エッセイ・計算などがメインになります。
コースによってはケースを読んで短めの論文を最終試験としているものもあります。
試験は成績に対する比重が高いため、多くの学生がかなりの時間を割いて準備することになるでしょう。
卒業生の進路について
MBA卒業生の進路は3パターンに大別することができます。
1つ目の企業派遣の学生は元の企業に戻ります。
日本からシンガポールマネジメント大学への社費留学はほとんどいませんが、企業・政府派遣で学びに来ている人もいます。
2つ目はインターンシップ先にそのまま就職するパターンです。
例年約3割の生徒がこのルートを進むとのことです。
近年、外国人労働者ビザの審査が厳しくなっているシンガポールでは、現地就職を目指す人にとって、このパターンが一番の王道になっていると言われています。
フルタイムで学びながらインターンシップができることも大きな魅力と言えるでしょう。
最後は、転職活動をして就職をすることになります。
日本に戻る日本人留学生はほとんどこのパターンになると思います。
例えばIT、コンサルティング、医療メーカー等の名だたる企業への転職実績があります。
シンガポールマネジメント大学はキャリアサポートに定評があり、レジュメやインタビューの一般的なキャリア支援だけでなく、外部講師のセミナーそして有名企業社員とのメンタープログラム等、様々なサポートを得ることができることが学生からも好評です。
学校の手厚いサポートもあり、多くの卒業生が満足いくキャリアを実現し、今もなお活躍しています。
今後日本でも知名度が上がることが期待
シンガポールマネジメント大学はまだ日本での知名度はそこまで高くありませんが、様々な工夫でトップMBAに遜色のない講義や経験を期待できるでしょう。
興味があって詳しく知りたい方はLinkedIn等で卒業生を探してみてコンタクトしてみるのも良いかもしれません。
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