2021.3.1 2021.3.10
ベンチャー企業への転職を考える際のポイントについて解説
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転職を考える際、「ベンチャー企業」への転職を考えたことはないでしょうか。
かつての終身雇用制度が崩壊しつつあることから、今現在の安定よりも「自分自身のキャリアにおいてどのようなこと実現できるのか」、「より早く実力を身につけ、成長できること」などを重視し、ベンチャー企業への転職を選ぶ人が増えてきています。
今回はベンチャー企業への転職を考える際のポイントについてご紹介いたします。
ベンチャー企業とは?
ベンチャー企業という言葉に具体的な定義はありません。
多くの場合は、新しい技術やビジネスモデルを展開している、設立年数が10年以内といった比較的若い企業を指すことが多いです。
また、共通する要素として「成長志向」、「新規性」、「スピード感」を持っていることが挙げられます。
新しい分野へのチャレンジには変化が伴うため、業務内容や社内の体制が流動的なことも特徴として挙げられます。
そもそも「ベンチャー」という言葉は、英語の「アドベンチャー」からとった日本語の造語であり、日本独特の概念です。
ベンチャー企業に似ている英語は「スタートアップ」などが挙げられます。
スタートアップとは?
一般的にスタートアップは、会社を立ち上げて間もない段階のベンチャー企業を指します。
事業にリソースを集中させているため、一般的には育成に時間のかかる新卒採用に積極的なところは多くありません。
ベンチャー企業というと「規模の小さい企業」といったイメージを伴うことが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
なぜなら会社の規模が「ベンチャー企業かどうか」の判断基準にはならないからです。
例えば、ベンチャー企業の中には、新しい事業を展開するための資金とし、ベンチャー・キャピタルのような投資ファンドから投資を受けている企業もあります。
これらは、一般的にいわゆる「ベンチャー企業」と呼ばれる企業のイメージ像ですね。
しかし一方で、急成長を遂げて大企業に匹敵する規模で事業展開しているベンチャー企業も存在します。
かなり広範囲で事業展開を行なっているため、この企業もベンチャーなの!?と驚かれる方もいるでしょう。
特に事業規模や従業員数が多いベンチャー企業を「メガベンチャー」と呼ぶ場合があります。
最近ではメルカリやfreeeなどがメガベンチャー企業の代表格です。
ベンチャー企業へ転職する際のメリット
ベンチャー企業へ転職する際のメリットについて見ていきましょう。
昇進が早い傾向にある場合が多い
(早々に重要なポストに就任できる可能性がある)
企業規模、企業フェーズにもよりますが、入社時にほぼ全員を将来のマネージャーや幹部候補とみるベンチャーもあります。
また、組織の拡大、組織の新設がされると、新しいポストがどんどん生まれるので、それに伴って昇進のスピードが早い場合が多いです。
成長段階にあるベンチャー企業では、大企業よりも昇進のチャンスは何倍もあると言えるでしょう。
経営層と近い距離で仕事ができる
ベンチャー企業では、社長(CEO)、役員(COO, CTO)と一緒に働く機会が多いのではないでしょうか。
社員数が少なめの企業が多いということもありますし、大企業と比べて組織階層がフラット化されている場合も多く、経営層直轄のポジションも多くあります。
また、大手クライアントとの商談や会食に、社長と一緒に参加する機会が頻繁に発生したり、役員と活発に意見を交換したりする機会も珍しくありません。
大きな企業に入ると役員と話す機会すらあまりないと思いますが、ベンチャー企業では毎日のように経営層とのコミュニケーションが発生します。
その分スピーディーであり、刺激的な毎日が送れるでしょう。
企業が成長することによって、収入アップの可能性が期待できる
企業の業績と個人の給与は一部関連します。
短期的に業績が急成長したベンチャーでは、賞与に大きく反映される場合もあります。
また、自身への期待値などに依って企業から付与されるストックオプションは、大きな魅力の1つです。
付与されてから行使できるまで一定の時間がかかりますので、キャッシュとしてすぐに手に入るお金ではありませんが、株価の成長によっては莫大な利益が得られる可能性があります。
ストックオプション制度の詳しい説明は以下もご参照ください。
参考:ストックオプションの効果とメリットを正しく理解しておこう
ベンチャー企業へ転職する際のデメリット
続いてベンチャー企業へ転職する際のデメリットについて見ていきましょう。
組織がまだ完全に出来上がっているわけではない
社員規模にもよりますが、組織が整備されていないケースが多いです。
とりわけ、社員10名以下のスタートアップ企業では、組織がほとんど存在しません。
11名~50名規模のベンチャーでは、組織(部署やチーム)や役割はふんわりと固まりつつあるものの、マネージャーとメンバーの線引きが曖昧(いい意味でマネージャーとメンバーの距離が近い)です。
管理・指示系統も曖昧で、社長から直々に指示が来ることも、直属の上長が不在なこともあります。
50人を超えると組織と役割がはっきりしてくる傾向にあります。
成長企業は、組織や制度を整えるスピードよりも早く人員が拡大していってしまいます。
その中で自分自身の成長に繋がることも多いですが、組織に軋轢が生じたり役割がコロコロと変わってしまい当初想定していた業務内容と異なることも珍しくありません。
戦略が流動的
内部環境の変化が早い上に、外部環境にも柔軟に合わせていくため、戦略がこまめに変わります。
社長の一声で180度方針が変わることもあり、まさに朝令暮改です。
決裁者が不明瞭な業務も多く、その部門の責任者が変わると戦略も変わります。
それだけスピード感があるというのが特徴です。
そのため経営者と考えが合わないと仕事の進め方にストレスを感じる人も出てくるため、入社前に経営陣と直接話す機会を持つことをおすすめします。
また、戦略や環境の変化によって業績が一気に悪くなることも良くあります。
大手企業からの転職時は、年収が下がってスタートするケースも多い
残念ながら、大手企業からの転職時に大半の方は年収維持または年収ダウンで転職しています。
特にスタートアップのベンチャーほど、その傾向は強いです。
年収ではダウンしてもストックオプションを付与されるケースもあるので、短期的な年収ではなく、生涯収入を意識して意思決定をすると良いでしょう。
分業されていないので、仕事の幅が広い
いい意味でも悪い意味でも、誰が責任を持ってリードするか明確に決まっておらず、業務の線引きがされていないことが多い場合があります。
部署やチームを横断して進むプロジェクトもあり、お互いの仕事の仕方やバックグラウンドも分からないまま、前例もない仕事を進める場合も多く、そのため、残業や土日出社で対応するケースが少なくありません。
ベンチャー企業への転職を考える際に気をつけたいポイント
ベンチャー企業へ転職する際のメリット、デメリットをお伝えしてきましたが、具体的にどのようなポイントに気をつければ良いのか、以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
企業のビジョンや事業に共感できるか
ベンチャーへの転職においてもっとも重要な判断軸は、理念や事業に共感できるかです。
提供しているサービス内容が大きく変化したり、戦略が180度方向転換したりすることもあります。
部署が廃止になったり、突然異動を命じられたりすることも多いです。
そのため、企業が根本的にもつビジョンや価値観に共感できないと、経営陣とのコミュニケーションも難しくなってきます。
転職を考える際はしっかりと確認するようにしましょう。
企業の今後の成長についての見通しは?
転職時の給料が転職前よりも下がったとしても、企業の成長見込みがどれぐらいあるのか、またストックオプション制度があるのかどうかなども含めて考えると、企業が提供しているサービスやその業界、環境、社会情勢なども踏まえてよく吟味し、企業がどれぐらいの成長を見込めるかを分析することも非常に重要になってきます。
ベンチャー、スタートアップへの転職は、その企業自体はもちろん、企業を取り巻く環境、そして自分自身と情報収集や分析が必要になり、転職活動自体に労力を要する方も少なくないのではないかと思います。
弊社ではベンチャー企業の求人も多く扱っているため、お気軽にご相談いただけたらと思います。
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